屋上日記

あみもの日記3 時間の経ち方

前回のあみもの日記

娘のベスト、遅々として進まず。

子育て、というか、子どもと過ごす生活というものの時間の流れ方が、今までと違うので不思議な気持ちを味わっている。
たとえば雑誌の編集部に所属していたとき、校了間近だと毎日時間がなくて、まさにあっという間に時間が経っていくという感じだった。
あれほど、「あっというま」ではないし、あれほど忙しい、わけではないのだけど、気づくと、どわーっと時間が経っている。
あれ、娘が急に大きい。なんかハイハイしてるし。つかまり立ちしてるし。
時間の経ち方ともうひとつ違うのは、そのどわーっと経った時間ののち、自分がとくに何もしていない気になること。
あみもの一つとっても、あれっ、全然進んでないのにもう来週お教室だ。あれ、あさってだ。あしただ。

今が大切な時間であることはわかる。
何もしないで過ごしているわけでもない。
でもその間にできあがった雑誌が、本があるわけでもない。
娘のために編むものさえできていない。
そういう時間の経ち方に慣れない。わがままで勝手なんだな。

4月の教室は娘の風邪で休んでしまった。
5月は夫に娘を預けて、産後初めてひとりであみもの教室へ。
(その日帰ったら「あなた出かけると表情がかわるから、もっと出かけなさいよ」と言われた)
6月は娘と。みなさんが娘をあやしてくれる。

遅々として進まず、と書いたけれど前回の日記から見ればだいぶ進んでいるのだった。
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うーん、やっぱり、まだまだか。だって2ヵ月経っているんだもんな。
このベスト、2ヵ月あれば編みあがっているはずのものだな。

編んでいるときも、出来上がったときも楽しいけれど、じつは一番好きなのはこれから編むものを考えているとき。
雑誌「毛糸だま」のバックナンバーを見ていたら、自分用に編みたいベストを見つけてしまった……!
さっそく那須さんに連絡をして、糸のことを相談。雑誌で使っているのは、なかなかお値段の張る糸なのだ。
那須さんはその糸をいくつもお持ちで、お教室のときに持ってきてくれた。
オステルヨートランド羊毛紡績。思ったより、やわらかい。
――素敵な糸ですけど、ベストを編むとなると、これ毛糸だけで一万円くらいかかっちゃいますよねえ……
――そうね、かかっちゃうかもねえ。
――ううーん……でもこの糸がいいですよねえ。
――ほかの糸でも悪いわけではないけど。この糸は細いからベストを編むとなるとすごく大変ではあるし。でも、これで編めたらおばあちゃんになっても着られるよ。

おばあちゃんになっても着られるベスト!
今まで編んだものは自己流で、どこかに失敗がある(おおきめの失敗)ものばかりだけど、お教室でじっくり教わりながら編めばそれもきっと最小限にできるはず。

なんとワクワクすることか。
自分のベストを編み始めるためにも、はやく娘の卵焼き色のベストを編みあげなくては。

2015-06-23 | カテゴリー あみもの日記, 屋上日記

 

「風が吹いてきたよ」のこと

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大型連休からひといきついた週末、香川県は小豆島へ家族で向かいました。

昨年、ぴゅーっと小豆島に引っ越していってしまった平野甲賀さん、公子さん夫妻。あっというまに島のひとになって、「風が吹いてきたよ」というライブイベントを開催してくれました。
島に行ってすぐだったか、公子さんから「にかさんたち呼んでライブやるよ、いいところあるから」と聞いてはいたのだけど、どこか遠いところの話のように思っていて。そのとき「わー行きたい」なんて言ったと思うけど、ほんとうに(そのときはこどもを産んでいるはずの)自分が行くとイメージできていたかというと、とてもとても。

「いいところ」という会場は肥土山農村歌舞伎舞台。普段は年に一度、住民による歌舞伎が開かれることにしか使われていないのだそう。
実際に運営にあたったのは島の若い人たちだそうだけど、これを「やっちまおう!」と思って動き出し、さらに人を動かしてしまうところに、平野夫妻のすごさがある。

イベントの詳細が出て、甲賀さんのロゴ含めたビジュアルがどーんと出て、一体いつ「よし行こう」と決めたんだったか。
わたしは飛行機も船も苦手、旅行そのものが苦手、しかも開催時7ヶ月の娘を連れての旅に、どうして行けると思ったんだったか。
好きなひとたちがたくさん東京から行くことを知って、久々に島で再会するのを、いつから楽しみにしていたんだったか。

飛行機に乗って高松に着き、フェリーで小豆島へ。送迎バスで宿へ。
宿についてぶらぶらしていたら知った顔にちらほら会えて、平野さん同様移住している内澤旬子さんが迎えに来てくれて、念願かなってヤギのカヨとも対面。

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内澤さんとは、まるで親子か、姉妹のようだった。

金井醸造場の祐子さんたちも合流して、おいしいごはんとワイン(わたしは、がまん)のご相伴にあずかる。最高の島の夜。娘ははじめて夜更かしをした。

翌日、宿からバスで会場へ。

里山のなかにふわっと現れる肥土山農村歌舞伎舞台へ、田んぼのなかを歩く。バスがとまる場所は舞台からすこし離れていたので、向かうひとたちからは「ここで合ってる?」「運転手さんおろす場所間違えた?」という声も聞こえたけど、この道を歩いて舞台に着いてほしかったんだろうな。ひとことでいうと、フライヤーの絵そのまんまのところ。写真、撮ってなかったや……。

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ライブのことはなんだかんだ言いたくないくらいすばらしく、まさに老若男女が思い思いにたのしんでいた。わたしは、「子連れ歓迎!」みたいなライブとかってどうにも馴染めなくて、それは子どもを産んだ今もかわらないのだけど、そんなことを言う必要もなく、子どももじいちゃんばあちゃんも島のひとも東京のひとも集まっていて、ひたすら気楽にたのしかった。

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▲ニカさんのライブ終了後、えねーちけーに取材されるわたしと、マイクを強奪する娘……。

あの規模での初開催であんなにスムーズに感じよくまわることって、めったにないのじゃないか。 伝統的な舞台を、荘厳とかいうのではなくかわいらしくつくりあげて、居心地がよい。座っているのに飽きたら食べるものやおみやげに買うものがいろいろある。長丁場につかれたな、と思った頃にラジオ体操がはじまる。 わたしもイベントごとに関わる身として、どうしたらこんなふうにできるんだろうと考えこんでしまったくらい、すばらしい運営だったと思う。

打ち上げはがまんして宿に戻ってゆっくりする。聞いた話によると打ち上げまですばらしかったんだそうだ。

甲賀さん、公子さんにはまたしばらく会えないけれど、また来よう。来年もきっと開催してほしい。と、簡単に言えないくらいたいへんだとは思うのだけど。
東京育ちである平野家のお子さんたちは、ご両親の移住で「田舎ができた」と言っていた。わたしも勝手にこっそりと、小豆島を田舎のひとつのように思ってしまおう。

ふたりの姿を見ていたら島での生活のよさがそのまま伝わってくるので、聞くまでもないと思ったけれど、甲賀さんに「島の生活、どうですか」と聞いてみた。「まあこんなもんじゃないですか。悪くないでしょ」だって。

2015-05-18 | カテゴリー 屋上日記

 

あみもの日記2 卵焼き色のチョッキ

前回のあみもの日記

さて、糸は決めた。どんなベストを編むかは決まらない。ベストにするというのもぼんやり決めてしまったので明確なイメージもない。

家にある本をいくつか見たけど、どうにもしっくり来ない。というか、赤ちゃんニットの本、いくつもあるのにぜんぜん編んでないじゃない。甥っ子にケープを編んだだけかな? 本を買うだけで満足する、これは軽い病気です。

教室の前に那須さんに相談すると、娘さんに編んだものを見せてくださるとのこと。参考までに、という感じだったのでわたしもいくつか本を持って教室 にゆく。娘を連れて2回目の教室。1回目よりは気持ちに余裕もあるけど、声も大きくなってきたし一時間近く電車に乗るのは緊張する。

そして見せてもらったベストがこれだった。
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輪で編む、かぶりのベスト。どちらかというとチョッキと呼びたい(違いはわかんない)。はー!かわいい。スマートフォンで撮ったこの写真では伝わり 切らないかわいさなのだ。ちょっと垢抜けないくらいの、素朴さ。編み地はゴム編みっぽいけれどゴム編みではなく、メリヤス編みとかのこ編みでできている。 うん、かわいい上に、そんなに難しくなさそう。輪でひたすら編んでいくので、基本的にはとじ・はぎもない。

あれ? とじ・はぎをちゃんとやってみたいから、ベストを作るんじゃなかったっけ、わたし。でもこんなかわいいの見てしまったらなあ、買ってきた黄色の糸で編んだ ところをイメージしても、かわいいもんなあ。那須さんは、わたしの選んだ糸を「卵焼きみたいな色!」と言ってくれた。卵焼き色のチョッキ、たまらん。編み たい。

これを編みたいです、というと那須さんはちょっと意外そうだったが(それまでに見ていた本のものと、ぜんぜんちがうからね)、「これなら製図も簡単 だよ」とささっと書いてくれて、本来ならちゃんとスウォッチを編んでゲージをとる(編み目の大きさを測ること。糸と自分の手加減にあわせて針の太さを選 ぶ)のだけど、娘がわちゃわちゃ動いているのでなかなか編めず、ちょっと簡略化してここもささっとお願いした。このまえ連れてきたときはもっと動かなかっ たから、案外編めるなと思ったのだった。どんどん動きは激しくなってテーブルの上をごろごろ転がり、こうやって転がしてる間にあみものができるなんて、も しかしてほんの少しの間なのかもしれない。

使うのは3号。細い。輪針で編む。輪針はあまり持っていないので買わなくては。と、教室ではここまで。次の日さっそく針を買いにいく。編むものが増えて、編み針の数がどんどん増えていく。編み針ケースもつくりたいな。つくりたいものもどんどん増えていく。
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2015-04-10 | カテゴリー あみもの日記, 屋上日記

 

あみもの日記1 復帰

2月から、娘を連れて「屋上あみもの教室」に復帰をした。

復帰と言っても、もともとわたしはイチ生徒だったし、休んでいるあいだ講師の那須さんに任せ切りだったので、ただ生徒としてまた通い始めたというだけ。2月は顔見せ程度に、3月は糸と道具を持って行ってみた。

娘はテーブルの上をごろごろ転がり、足をドタバタさせ、ニコニコしている。みなさんが話しかけてくれると心底うれしそうにしているけど、自分の話をしていないと気づくと「おわーっ!」と絶叫。姫様体質なのかしらん……。

この教室では、みんながそれぞれ編みたいものを決め、糸を選び、サイズを調整して編んでいる。せっかく連れて行くのだし、次に編むのは娘のものにし ようと思った。産前にも、教室で那須さんにアドバイスをいただきながらコットン糸でブランケットを編んだ。これが(今のところはわたしの)お気に入り。
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糸はmooritのオリジナル、ソフトコットン。手触り、たまんない! なんだか、とろっとろなのですよ。そうだ、性別がわからない段階で選んだからふちの色はみどりにした気がする。

次に何を編むべきか迷ったあげく、ベストにしようと思った。なんとなく赤ちゃんぽいし、一度ちゃんとしたベストの編み方を教わりたかったから、大人用のより、気楽に挑戦できるかなという打算のもと。

で、那須さんに糸のことを相談。コットン糸で編みたい。ほんとうはブランケットを編んだ糸がいいんだけど、色数が少なく、何より高い。それで教えてもらったのがDMCのナチュラという糸。こんな色を買いました。
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娘ね、ピンクとか似合うような顔してないんですよ……

で、えーと、前置きが長くなりましたが、あみもの日記を書こうかなと思っております。どうぞお付き合いください。

2015-03-28 | カテゴリー あみもの日記, 屋上日記

 

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