屋上日記

山田真歩さん×磯田健一郎さんトークイベント「映画と本の話をしよう」@古書ほうろう(前編)

「沖縄、シマで音楽映画『島々清しゃ』ができるまで」の刊行を記念して、著者の磯田健一郎さんと、映画『島々清しゃ島々清しゃ』で主人公うみの母親、花島さんご役を演じられた山田真歩さんのトークイベントを開催しまいた。

山田さんは実は俳優になられる前、出版社勤務のご経験があるとか。音楽プロデューサーである著者の磯田さんもライターのご経験があり、お二人ともどうやら本好きらしい……? ということで、トークテーマは「映画と本の話をしよう」。
会場は、山田さんの雰囲気にもぴったりの古書ほうろう古書ほうろうさんで開催しました。

今回は、その一部を前後編に分けて公開いたします。

司会・林さやか(編集室屋上)

◆つげ義春の漫画に出てくるような出版社のオフィスで(山田)

――現在は、山田さんは俳優として、磯田さんは音楽プロデューサーとしてご活躍されていますが、お二人とも本に関するお仕事がスタートだったそうですね。
磯田 ぼくは大学時代、獣医学が専攻だったのですが、すぐにバンドを組んでライブ活動をしながら、いわゆる物書きをやりたいなと思っていたんです。大学の図書館で求人欄を見ていたら小さい編集プロダクションが募集をかけていて、そこでライティングを始めたというのが最初ですね。住宅情報のような分厚い雑誌の見開き2ページのレイアウトとコピーを書いたのが一番最初の仕事だった記憶があります。そこの編プロの社長さんが『週刊漫画ゴラク』とかを出している日本文芸社の出身で、『週刊漫画ゴラク』の編集者と知り合いになりまして、漫画の原作を書くことになったりして。そんなことが最初で、ライティングをしつつ音楽をやりつつというような生活でした。それから結局フリーの物書きになって、漫画の原作もたくさん書いたし、エロ小説を書いたこともあるし、ジュニアホラーみたいのを書いたこともあるし、そういうことが出発点。
山田 そのお話、初めて聞きました。私は大学を卒業してしばらくはいろんな仕事というか、バイトをしてたんですね。2年くらいフリーターをしていてそろそろ働きたいなと思ってたとき、友達のお母さんに「今度、若者と憲法を語るっていうテーマで若者を探してるんだけど」誘われて。暇だったので御茶ノ水の喫茶店に行って、憲法学者の方や母親の会代表の方と話をしました。若者代表で友達と3人くらいで行って憲法のことを話したんですけど、「『若者と憲法を語る』っていうタイトルの冊子を出したい」って言われたので、「そのタイトルだと若者は読まないんじゃないですか?」って言ったんです(笑)。そこに出版社の社長さんが同席していて「じゃあ若者はいまどういう風に憲法を考えているんだろう?」ということで意見を言っていたら「うちで働かないか」っていわれて(笑)。「ちょうど人が足りないから、憲法の本を若者目線から作ってくれ」って、それがきっかけに出版社に入りました。
――じゃあ、最初に作った本は憲法の本だったんですか?
山田 そうです。次の日から働きなさいって言われて行ったのが御茶ノ水にあるつげ義春の漫画に出てくるようなオフィス。社員は5人くらいでそこで働くことになって、憲法はについては何も知らなかったので、憲法学者の方にたくさん質問する形で、それを文章にして、目次を考えて、本をつくりました。
――出版社と言われたときにイメージはあったんですか?
山田 全くなくて。本は好きだったんですけど、どんな風に作るかはわからなくて。憲法の本は2年くらいかかったんですけど、他の大手の出版社の人に自信満々に見せて「これはなってないよ」って怒られて、悔しい思いをしたこともありました。入った会社は自費出版がメインのところだったので、1ヶ月に一人5冊くらい担当していて、原稿をもらったらすぐ出す。組版も表紙のデザインも全部編集者がやって、トーハンとか日販とかの取次に営業に持って行くっていうところまでやりました。
磯田 え、取次まで行ったの?
山田 行きました。でもそれが初めてだったので、普通はデザインはデザイナーさんに任せるとかそういうことも知らなかったので、それが私にとって出版社の姿ということだったんです。あとから本を読んだりして、「ほんとに非常識なことをしてたんだ」って思ったこともありました。

◆出版社時代の経験が今の役作りに直結していると思います(山田)

――憲法の本を2年かけて作られてる間に、自費出版の本も担当されていたんですか?
山田 やりました。私の出版社では著者に会わずに原稿もらったらすぐ本にしていたんですけど、私は著者に全員会いに行って、どんな本にしたいのかを聞いて、「デザインどうしますか?」とか、「これだと伝えたいことが伝わらないですよ」と言って一緒に考えたりしてました。それで4年間働くなかで本作りが楽しくなってきて、装丁とかデザインとか、タイポグラフィとかに興味がいくようになって。たくさん海外の本とか、勉強するようになりました。
――どういう風に勉強をされていたんですか?
山田 たとえば昼休みに近くの図書館に行って、気になる背表紙を見ていると好きなものは同じ人が装丁していたりして。杉浦康平さんとか葛西薫さんとか、だんだん趣味がわかってきたので真似をしていました。もっと知りたいと思ったときに、早稲田の大学図書館に全国の装丁の資料がたくさんあるんです。私は早稲田大学生じゃなかったので、早稲田の社会人が受けられる講習を半年だけ受けて、パスをもらえるのでそれで入って勉強したりしていましたね。
――図書館に入ることが目的で?
山田 そうです。社長に、「山田さんは何しに早稲田に行ってるの?」と言われたりして。仕事中に行ってたので(笑)。そもそも本づくりに2年もかけている人がいなくて、こっそりこっそりひた隠しにやってたんですけど。「山田さんちょっと時間かけすぎじゃない?」って言われました。
――いわゆる普通の出版社だと2年くらいかかることはよくありますね。
山田 ありますか。今回の磯田さんの本(「沖縄、シマで音楽映画『島々清しゃ』ができるまで」)はどうでしたか。
磯田 この本は、こういう映画を撮るよって言ったときから準備しているから、映画を撮る前からの話。3年くらいかかっているよね。
山田 そうなんですね。著者の人と会ってると、「この人こういうことが言いたいんだな」っていうことがわかると「じゃあこういうフォントにしよう」とか「こういう見返しの色がいいな」とか「タイトルはこうかな」というのが出てきて、自分がやりたくなってしまうんです。文章を書くのも面白かったんですけど、本全体のものが好きだったのかな。
磯田 出版社にいたのは知ってたけど、こういう話は全然聞いたことなかったね。役者活動をしていたときとはかぶっているの?
山田 磯田さんとお会いしたのは映画『楽隊のうさぎ』(2013年)が初めてでしたが、そのときは出版社は辞めて役者に専念していました。私は大学で演劇サークルに入っていて、大学を卒業してから柄本明さんの劇団東京乾電池を受けてオーディションに受かって、1年くらいワークショップ生だったんです。でも正式なメンバーにはならなかったので、それ以降ずっとふらふらしていて。そのあと出版社に4年間勤めて、映画に出るようになって退職しました。
磯田 出版社にいたときは役者の活動は?
山田 役者をやりたかったんですけど、本作りが楽しくなってきて、自分を表現するのが役者以外にもあるんだって思いました。出版社の時代にいろんな著者の方と会って、「この人はどんなことが言いたいのか」とか話を聞いて「どんな本にしよう」と考える体験は、今の仕事の役作りに直結していると思います。大学生の頃はもっと「自分はこうしたい!」というのが強かったから、そうじゃなくて、その人の言いたいことを翻訳する、形にするのはどうしたらいいかということに4年間ずっと付き合っていた感じで。その経験がなかったら『楽隊のうさぎ』の「うさぎ」役とか、今回のお母さんの役とか、ああいうことはできなかったんじゃないかと、今だから思います。

映画の話を伺った後編は4月29日(土)に更新いたします。

 

2017-04-28 | カテゴリー 屋上日記

 

『屋上野球』再スタートのいろいろ

久しぶりに『屋上野球』についてのお知らせです。

2014年7月にVol.2を出してから早2年半。
「号外」として16ページの冊子を作りました。
わたしが主催者のひとりである「東京野球ブックフェア」というイベントに合わせて制作し、このたび通販も開始します。
号外といっても内容はしっかり読んでいただけるものです!
巻頭は、『に・褒められたくて』の著者でもあるながさわたかひろさんの最新インタビュー。
その他、「Vol.3を出します!」と宣言と特集のお知らせをして、ミニ特集としてえのきどいちろうさんにエッセイを、ばばかよさんに漫画を書いていただいています。

通販はコチラから。
屋上野球 号外 | 編集室屋上書店
定価200円、送料込みで300円としました。銀行振込だと手数料がかかってしまってなんだかな、という感じですがクレジット決済も可能です。

なんだか濁してきたような気もしますが、この休みは簡単にいうと産休・育休でした。
Vol.2刊行時が妊娠7ヶ月。その後出産を経て、単行本の刊行はなんとか続けてきたので「なんで『屋上野球』はやらないの?」という声をいただいたこともあったのですが、単行本の編集(及び営業)と雑誌形式をとる『屋上野球』とは制作の状況も違っていて、今の状況ではとてもできませんでした。打合せの回数も多く、基本的に相手の都合に合わせる取材も入ってくる。わたしは子どもを保育園に預けずに、週に数回の一時保育と子どもが寝ている時間に仕事するという強行突破をしてきたので、雑誌の制作には生活スタイルが追いつきませんでした。「だからできなかった」っていうよりは、それもある程度わかっていたうえでこの生活を選んだので、待っていただいた方や不定期とはいえ連載をお願いしていたみなさんには申し訳ないことなのですが。

で、なぜこのタイミングで「Vol.3つくります!」と宣言しているかといえば、子どもの保育園入園が決まったからです。(第四希望だけど!車で15分かかるけど!)

……今、このことをちまちま書いていたら、待機児童問題のことへの愚痴がものすごく長くなってしまい、でもあらゆる人に「配慮」する文章は書けず、情けないので消しました。

待機児童問題。厳しいです。わたしは娘2歳児のタイミングで入園が決まって、これは幸運な部類といえます。この状況で、「保育園落ちた」という方にも何の違和感もない言葉は紡げないと思います。と、こんなことを考えないといけない。つまり、「同じ年代の子どもを持つ親」を分断させる問題が、待機児童問題でもあります。このこともまた、厳しいです。

話がそれてしまいましたが、こんな状況なのでこんなに間が空いてしまったよ、という言い訳なのでした。この2年半の間、思いつく企画はメモすることしかできず、新しい雑誌が現れると嫉妬をし、という日々でしたが、そのぶん溜め込んだいろいろを『屋上野球』Vol.3に詰め込みたいと思います。

まずは『屋上野球』号外、ぜひ読んでいただきたいです。
通販はこちらの屋上公式通販のみ、Amazonなどの取扱はありません。
一部を除いて書店さんに卸すこともないと思います。
屋上野球 号外 | 編集室屋上書店
ぜひぜひ。この売上が、Vol.3制作の後押しになります。笑

そんなわけなので、これからはブログもいっぱい更新していこーっと思います!!

2017-03-29 | カテゴリー つれづれ, 屋上日記

 

【新刊発売】沖縄、シマで音楽映画


さあ、いよいよ!
本日18日頃から早いところでは店頭に並び始めます!
映画「島々清しゃ」の公開は1月21日(土)、その前に読んでいただくもよし、映画を見てから読んでいただくもよし。
本の中に映画のネタバレはありませんので、安心して読んでいただければと思います。
個人的には、映画を見て、本を読んでいただき、もう一度映画を見ていただくのがおすすめです。(笑)
いや、笑い事でなく、もう一度見たくなるんです。

磯田さんと出会ったのはもう10年ほど?前になるのですが(記憶があやふや…)それは置いておいて、映画「楽隊のうさぎ」の音楽監督をされた際に久しぶりの再会となりました。
(いま思い返しても「楽隊のうさぎ」すばらしい映画でした。また劇場で観たい)
その後、メールのやりとりを見返してみると、磯田さんが映画の撮影を始める、というご連絡をくださり、わたしが「それを本にしたい!」と突然言い出しているのが2015年7月のこと。
長いような短いような、1年半で本になりました。

この本は、「島々清しゃ」という映画の制作の記録であり、「音楽映画をつくる」ことに心血を注ぐ磯田さんのエッセイであり、映画をつくる人、つくりたい人にとっては指南書でもあるかもしれません。
そして何よりも、沖縄という場所と、映画への愛がにじみ出る本です。
ある書店さんで「いま沖縄って社会問題で取り上げられることが多くて、海がきれいとか人がやさしいとかそういう沖縄の良さを伝えるということのほうが難しくなっているよね」と言われました。
沖縄という場所が、いわゆる社会問題になるような悲しさをずっと抱えていることは事実で、それは沖縄の人々の生活には常に寄り添っているものだと思います。
でもこのとき言われたとおり、ただ素晴らしい場所としての「沖縄」がまずあって、この映画「島々清しゃ」はそれを存分に伝えるものだし、それを描いたこの『沖縄、シマで音楽映画』という本もまた、そのことを伝えていると思います。

いま、著者の磯田さんは沖縄に滞在中。
映画のモチーフになった名曲「島々清しゃ」の作曲者である普久原恒勇さんに本をお渡しいただきました。

著者の磯田さんは普久原恒勇さんの語り下ろし本『芭蕉布』も上梓されています。ボーダインク刊。

冒頭でお伝えしたとおり、早いところでは今日からお店に並んでおり、Amazonでもご購入いただけます。
買いやすいお店はこちらにまとめました。
沖縄県内でも、ジュンク堂書店那覇店、市場の古本屋ウララ、ちはや書房、CAFE UNIZON、そして上映館である桜坂劇場には直接お送りしているので到着している頃かと思います。
その他のお店には少しお時間かかると思いますが、もう少しお待ちくださいませ。

2017-01-18 | カテゴリー 屋上おしらせ, 屋上日記

 

2017年 遅ればせながらご挨拶

新年のご挨拶をするような時期でもなくなってしまいました。
いつまで経ってもこんなふうに、遅くなりましたが……というご挨拶をしてばかりのわたしですが
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、1月16日搬入で新刊を出します。
タイトルは「沖縄、シマで音楽映画 『島々清しゃ』ができるまで」。
1月21日に公開になる、映画「島々清しゃ」。
映画の詳細は公式サイトでご確認いただきたいのですが、その映画の企画者であり、音楽監督であり、さらには脚本家でもある磯田健一郎さんによる、映画の「始めから終わりまで」を書いた、書き下ろし作品です。

詳細はこちらからご確認ください。明日には見本が!できあがります! ワーイ!

▼▽▼

さて、ここで振り返っておかないといつ振り返る、ということになりそうなので、ちょっとだけ2016年を。

編集室屋上として、再スタートを切った年でした。
4月には、ずっと念願だったながさわたかひろさんの『に・褒められたくて』を刊行。
過去の作品を集めた本ではありますが、文章はほとんど書き下ろし。
ながさわさんには過去のことを振り返るという大変な作業もしていただくことになり、精神的にかなり追い詰めたと思います……すみません。
でもながさわさんの作品の素晴らしさ、パワーと、それを最大限に引き出してくれたデザイナーの佐藤亜沙美さんのおかげで、渾身の一冊になりました。ほかの本もそうだけど、なんだか改めて「自分で本をつくって必死で売っていくのだ」ということ、再確認したような気がします。

さらに7月には、壺井栄没後50周年記念出版として『二人の手紙 壺井繁治・壺井栄 獄中往復書簡集 昭和五年-昭和九年』を刊行しました。平野公子さんが小豆島に行かれたことでつながったご縁で、意外と思われるかなとも思ったのですが、でも作っていてとても楽しい本でした。当時の二人は30代、今のわたしと同世代といっていい夫婦の手紙は時に厳しい言葉もありながら、あくまでも日常で(といっても夫は獄中なわけだけど)、かわいらしく、この二人のことをこんな風に感じることがあるとは思いもしませんでした。
公子さんから壺井繁治の話を聞いたときに、小熊秀雄の話が出てきて、大学生のときに「池袋モンパルナス」の展示を見に行って小熊秀雄の言葉にたいへん撃ち抜かれたこと、などを思い出しました。思い出しただけですが、そういう小さな衝撃や感動、その積み重ねがいまわたしにこの仕事をさせてくれているような気がします。

そして、「沖縄、シマで音楽映画」。
これから刊行なので、昨年つくったというわけではないのですが、12月には校了していたので、感覚的には昨年つくった一冊に。
この本のことは、また改めてゆっくりと。

というわけで、編集室屋上史上はじめて、年間三冊の本を制作しました。

▼▽▼

正直なことをいえば、今まで生きてきて一番シンドイ一年でした。
子どもの保育園は決まらず、日中は子どもと過ごし、夜や土日、たまに入れる一時保育を使って仕事をする日々。これは本当にダメでダメで、仕事を一緒にしてくれる人に迷惑をかける、こどもにつらくあたりがちになる、不満のないはずの夫にもあたる、体はボロボロ、という、ほんとうに、ひどい日々で。本をつくれたことはどれも誇りだけれど、同時にたくさんの人に迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳なく思います。

保育園が決まらない、というけれど、たとえば0歳児から入れるとか、入りやすい自治体に入りやすいタイミングで引っ越すとか、もっと努力できないのか、といわれれば、それまでで、ほかに優先したことがあるというのだからわたしが悪いのかもしれません。でも、「だから保育園に入れない」っていう世の中はやっぱりおかしいし、このおかしいと思う気持ちは喉元過ぎて忘れるのではなく、何か、小さいことでも考え続けることは必要だなと思っています。わがままなのかもしれないけど、子どもと生活するということ、そのなかで仕事をするということについても、もっと選択肢があっていい、あるべきなのだと思います。愚痴ではなく、これからも考え続けるという意思表示として。

こういう日々を通じて、自分に体力がないことも痛感したし、無理はここまで。12月には、胃腸炎もやり、1ヶ月以上風邪が治らなかったり、一年分のあれこれがずーんと体に襲ってきました。もうそのやり方、やめんさい、というお知らせかと思います。もちろん、本はつくりたいし、やりたいことはたくさん、新刊も出してこれから頑張りどきなので、いろいろ方法を考えながら現実を見つつ、がんばっていきたいと思います。

▼▽▼

最後に一つ、昨年いつだったか「月に吠える通信」さんのインタビューを受けました。
自分で話すことって全然面白いと思えないし、「うわーこんなこと言ってるダセー」「言葉がへたで伝わってねー」とかばっかり思って校正もらうと赤字ガンガン入れてしまうし、(そして何より自分の写真が出てると落ち込む 笑)あまりお知らせしていなかったのですが、ふと読み返してみたら、意外と、いままで人に言わなかったようなことを言っていると思いました。出版業界のこととか、本の役割のこととか、ひどい答えをしているんですけれど、でもこれがこのときのわたしの本音です。きっとそのうち変わるだろうけど。
【ひとり出版社Vol.4】よりふさわしいカタチで、表現が届けられる時代になる 『編集室屋上』林さやかさん
(タイトルかっこいいな)

ではみなさま、こんなわたしと編集室屋上ですが、2017年もどうぞよろしくお願いいたします。エイエイオー

林さやか

2017-01-11 | カテゴリー つれづれ, 屋上日記

 

『に・褒められたくて』のこと(いまさら制作日誌)①

ながさわたかひろさんの『に・褒められたくて』を刊行してから半年以上が経ちました。
わたしにとってすごくターニングポイントというか、……あれ、それどういう意味だっけ? 出版を続けるうえでとても重要な一冊です。

最近、いくつかトークイベントをしたり、そのことで久しぶりの友人に会ったりして「どうしてこの本を出そうと思ったの?」と聞かれることが何度かありました。
思えば、そういうことは書いていなかった。って、編集者がそんなこと伝えるのは当たり前のことではないですが、一人でやっている以上、そういうところにもっと意味を感じてもらってもいいのかなと思うこともあり、今更すぎるタイミングではありますが、ながさわさんとの出会いや、作品のこと、そこから本作りのことまで、何度かに分けて書いてみようと思います。

***

ながさわさんと最初に出会ったのは、わたしが野球雑誌の編集をしているときでした。
上司が会議室でお客さんと会っていて、「みんなちょっと来て」と呼ばれたので行くと、そこには野球雑誌編集部にはなかなか現れない、文化系の人がいて、とても大きな作品を上司に見せているところでした。(イラストレーターさんやデザイナーさん、とも雰囲気が違ったので、かなり異色に見えたのを覚えています)

そのとき見せてくれていたのが、初代(?)「プロ野球画報」という作品。
2009年の、東北楽天ゴールデンイーグルスの全試合を、各試合9コマ、それも銅版画で描いた、話を聞くだけで気の遠くなるような作品でした。
それを見て無性にワクワクして、なんかすごい人が来たぞ、と思い、いろいろ質問攻めにしたような気はします。
いま、思い出しながら書いていてハッキリしないのですが(だって、6~7年前……)、その前だったか後だったかに、その作品を展示した個展があり、その知らせも受けていながら、「校了直前だから」という理由で行けなかったことは、未だに後悔しています。その頃は、雑誌の進行がすべてのような生活をしていて、校了直前に行きたいところに行くようなことは、まずなかったのでした。

それから、野球雑誌の編集者としては、ながさわさんに二度、仕事をお願いしました。
一度目は、えのきどいちろうさんに原稿をお願いしたときの挿絵(ナンシー関さんの、後ろ姿を描いてもらった)。
二度目は、2005年の東北楽天ゴールデンイーグルスのメンバーを描いてもらった見開きの企画。

そしてわたしは2011年に退職をし、編集室屋上を立ち上げるのですが、その退職の挨拶のときのメールに「ながさわさんとは野球関係なく、本をつくりたい」というメールを送っていました。
それから、毎年開催されるながさわさんの個展には毎回足を運んで、同じ頃に始めた「東京野球ブックフェア」でもトークに出ていただいたり、と、ほそぼそとお付き合いは続きました。といっても、わたしが一方的な「ファン」であっただけですけれど。

そうして、2014年1月のながさわたかひろ展「に・褒められたくて」に出会うのです。
『美術手帖』での連載や、ながさわさんのブログで「に・褒められたくて」という連作は見ていたし、そのコンセプトを含めて素晴らしい作品だと思ってはいたものの、実際の作品を目にするのはこのときが初めてだったと思います。少なくとも、一堂に会したものは当然初めてでした。

そのときの感情、ハッキリ覚えています。
これほどのものを放っておいていいのか?
これが芸術家の仕事というものなら、わたしは編集者なのだから、これを作品集として世に出すのがわたしの仕事ではないか?
この作品を本にしないなら、わたしが編集者を名乗る意味もないのではないか?

いま文字にするとかなり恥ずかしい、おこがましい言葉ですが、それでもそのときに湧き上がった気持ちが、ながさわさんの「に・褒められたくて」という作品を本にするところまで持ってきました。
言うまでもなく、それだけの力のある作品、展示でした。

つづきます。

 

 

2016-11-21 | カテゴリー 『に・褒められたくて』, 屋上日記

 

壺井栄50回忌によせて 

日付変わって今日、6月23日は、壺井栄の50回忌です。

『二十四の瞳』などで知られる壺井栄は小豆島の出身。島では今年一年、記念行事がいろいろと企画されていて、このたび刊行する『二人の手紙 壺井繁治・壺井栄 獄中往復書簡集 昭和五年-九年』もこのタイミングで島のみなさまにも見ていただくことができました。

小豆島町長がブログの1704回で書いておられるとおり、この本はもともと平野公子さんがわたしに話をくださったものです。
公子さんは編集室屋上の立ち上げを一緒にしてくれた人。(というか屋上のメンバーですから、屋上はひとり出版社ではないですね)
はじめは、やはり『二十四の瞳』の印象が強い壺井栄のことを詳しく知らなかったし、夫である壺井繁治のことは、名前と、活動家であったことくらいしか知らない、不勉強な私でした。
でも公子さんからの話を受けて、この書簡集を本にして出版することに強い意味を感じたのと、なんだか言いようのないワクワク感があったので、詳しくないままに、出版したい、とお伝えしたのでした。
(いま思うと、公子さんからの電話で小熊秀雄の名前が出たことが、決意したきっかけの一つだったような。ちょっとしたことですが)

そして島から送られてきた大量の書簡のコピーには、めんくらいました。
これを、全部、タイピングするのは……むり!!
特に初期の手紙は繁治が獄中でペンの使用を許可されておらず、筆で書かれたもの。はじめに見たのがその手紙だったので、「読めない、読めない、読めない!」と泣きそうになったくらい。
ペンになると、だいぶ読みやすかったんですが(笑)それでも慣れるまでは難儀しました。
そして、やはり自分一人では無理と、数名の方に協力していただいてまずは原稿を起こすことからはじまった本作り。協力者の方も、ほんとうに大変だったと思います。

装丁は長田年伸さん、装画は平岡瞳さんにお願いしました。
長田さんの遊び心もありながら地に足の着いたデザインは400ページ超えの本をしっかりときれいに、また軽やかにまとめてくださいました。
平岡さんにはぜひ木版画で!とお願いして、それがピッタリ。優しくもあり力強くもある平岡さんの木版画が、小豆島の風景を思い起こさせるところもあり、二人の手紙の雰囲気を見せてもくれて。
お二人は30代で、わたしも30代、なんとなく、若い世代で作りたいという気持ちありました。

解説は佐久間文子さんに。じつは記者でいらっしゃる頃からずーっと読者だった佐久間さんに自分が出す本で原稿をお願いできたことは光栄でした、というのは、ほんとに私事ですが、いただいた解説を読んで、私自身この本の姿がすーっと入ってきたような気がします。もしかしたら、最初に読んでいただくとより「二人の手紙」を楽しんでいただけるかもしれません。最後に楽しみにとっておいてもよいのですが。

さて、こんな風にしてようやく出来上がった本です。
書店さんには早い所では6月25日頃から並びますが、取次の関係でだいぶ時間がかかるところもあるのと、まだまだ販売店が少ない状況です。

引き続き、お取扱いいただける書店さん等も募集しています。

そうそう、公子さんたちがスタートした小豆島初のオンラインマガジンも間もなくスタートの様子。
現在クラウドファンディングを行っています。
小豆島発のオンラインマガジン「その船にのって」にご支援をお願いします!
こちらで壺井栄の短編も読めるようになるとのこと、これも楽しみ。

***

今年に入ってからずっと突っ走り続けてきた日々、ようやく一段落です。
保育園は、まだ決まりませーん!

2016-06-23 | カテゴリー 屋上日記

 

編集室屋上 新刊のお知らせです

やっと、やっとお知らせできる日がきました。

編集室屋上から、1年半ぶりの新刊は
ながさわたかひろさんのライフワーク〈に・褒められたくて〉の単行本です。

ながさわさんのこと、ご存知ない方もいるかもしれません。
「野球の人!」って思う方も多いと思います。(ヤクルトスワローズの全試合を描く絵描き、でもあります)

でも、でも、ながさわさんの本領は、「野球」だけじゃないんです!
知らない方も、無名の人だと思ったら、度肝を抜かれます!

今回の作品〈に・褒められたくて〉は、ながさわさんが自分の好きな人にアポなしで「あなたの絵を描かせてください」と突撃、OKをもらえたら絵(版画)を描いて、また本人に渡しに行き、そこで本人にコメントとサインをもらう、ということで完結する作品です。
ながさわさん本人による「まえがき」から抜粋します。

〈に・褒められたくて〉は、しみったれオトコが、それでも前を向いて、大好きなアノ人と正面切って向き合うために果敢に挑戦していく、その様を追ったドキュメントだ。「アナタを描かせて下さい!」その一言から始まる愛の版画シリーズである。できあがったら二枚刷り、一枚をご本人に渡し、そしてもう一枚にコメントを頂戴することで完成する”コラボ”作品。制作に至る過程と、サインをもらえたりもらえなかったりの悲喜交々をまるごと作品として見ていただこうと思った。ちょうどブログが流行し始めたころで、その工程を公開するのにも都合が良かった。そのどれもが大事な作品だけど、この本に収録したのは泣く泣く厳選した30人だ。

30人とは、掲載順に

吉田照美/野村克也/会田誠/あがた森魚/大林宣彦/鈴木慶一/タケカワユキヒデ/ピエール瀧/高田文夫/おすぎ/市川準/篠原勝之/唐十郎/ヤン・シュヴァンクマイエル/四谷シモン/大竹まこと/直枝政広/みうらじゅん/ケラリーノ・サンドロヴィッチ/山里亮太/春風亭昇太/柳家喬太郎/樋口真嗣/蛭子能収/ムッシュかまやつ/大根仁/三遊亭白鳥/渡辺祐/武田鉄矢/平野甲賀

……のみなさん。
ながさわさんが影響を受けたり、好きでたまらなかったりする人たちです。
この人たちの並びを見れば、ながさわさんがどういう人が、なんとなくわかるんじゃないかなと思います。

作品集といっても、作品が並ぶだけではありません。
208ページ、ほとんど文字ばっかりです!
上記「まえがき」にもある、「制作に至る過程と、サインをもらえたりもらえなかったりの悲喜交々」を、ほとんど書きおろしてもらいました。

ブックデザインは佐藤亜沙美さん、
「解説」をえのきどいちろうさんに書いていただきました。
佐藤さんの発想は本当に素晴らしく、作品の意図も深く理解してくださり、最大限魅力を発揮できる、ダイナミックな本に仕上げてくださいました。
えのきどさんがながさわさんのことを話すのを聞いて、ながさわさんの作品をより深く理解できたとわたし自身思っていて、みなさんにもその体験をしてほしいと思いお願いしたところ、快く引き受けてくださいました。衝撃の一文で始まっています!

さて、これからようやく本腰を入れて営業活動!
子どもを背負って書店さんに行かなくては。
本のことは、また少しずつ書いていこうと思います。

最後に詳細を。

に・褒められたくて
版画家・ながさわたかひろの挑戦

ながさわたかひろ・著

A5版/208ページ/1,800円+税/コデックス装
4月17日頃発売
ISBN 978-4-9906105-4-8
ブックデザイン:佐藤亜沙美(サトウサンカイ)

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2016-03-18 | カテゴリー 屋上おしらせ, 屋上日記

 

野球かわいい展のこと。とりあえずの覚え書き

「野球かわいい展」が終わった。
そのあと、書籍の校了があり(まだ終わってない)、東京野球ブックフェアがあり(次の日曜です)、と、怒涛の日々が続いているので、なんだか振り返れないのだけど、すごく重要な二日間だったような気がして、その熱気が抜けないうちに少しまとめておこうと思います。

一番最初のきっかけはなんだったろうか。
さかのぼってみたら、
「野球のかわいいものを集めた展示をしませんか」というメールを、今回の参加者のみなさんそれぞれに送っていたのが一年前の3月。
ふむ、最初からコンセプトはあまり変わっていないのだ。
声をかけた代打◯◯◯のメンバー、清水はるかさん、雨本洋輔さん、というのは
最初に思いついた「野球のかわいいものをつくれそうな人」だった。
「かわいい」があまりにも主観的過ぎるから、「かわいい」でいいのか?とも思ったけれど、
まずは編集室屋上企画としてやってみるのだから、主観的な企画展でもまあいいんじゃないか、と、そのまま進んだ。
もしかしたら、わたしが主観的に「かわいい」と思わないものでも、一般的に「かわいいっぽい」ものを入れて
参加人数、出品数を増やしたらいいのでは?と思ったこともあったけど、
やっぱり自分がかわいいと思うものしか、全力でいっしょに作ることはできないかなと思ったのだった。
最初は「野球×かわいい」というニュアンスで「やきゅうかわいい」と呼んでいたのだけど、
それを「野球かわいい」という形容詞だ、といったのは友人の編集者のAくんだったかな。

企画展をやる、ということは、雑誌や書籍をつくる以上に、目に見えないことが多くて
わたしの進行は決して上手じゃなかったと思う。
それでも、メンバーはわたしが何かいえばどんどんアイデアを返してくれたり、
「とりあえずつくってみよう!」と、いくつもサンプルをつくってくれたり、
ときには「コンセプトを一度ハッキリさせよう」とわたしを軌道修正させてくれたり、
すごく頼もしく、こういう人たちと展示をつくるのはほんとうに楽しかったな。

みんな、忙しいなか、本当によく準備してくれました。
それぞれのつくるものは「ちゃんとかわいく」て、クオリティも高い、
「野球好きじゃない人にもかわいいと思えるアイテム」だけど「野球好きにだけわかるニュアンス」もある。
そういうものがたくさんできたけど、
でもやっぱり、
「どれだけの人が来てくれるのか」というのは未知数で、ずっと不安だったと思う。

ふたを開けてみれば、大盛況!
小さな小さなスペースにひっきりなしにお客さんが来てくれて、たくさんの商品を買ってくれた。
9割が女性!
野球のイベントで、って、野球のイベントなわけじゃないけど、野球と名のつくイベントでこんなことって、そうそうないですね。
何度も「野球のかわいいグッズってないから、うれしい」というコメントをもらった。
ああ、「野球かわいい」って言葉はなかったけど、ずっと求められてたんだな、としんみりとしながら驚いた。

ブログの構成もなにもないけど、今回の作家さんの紹介を。

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雨本洋輔さんは、『屋上野球』を読んで連絡をくれたのが最初の出会い。
(そして『屋上野球』Vol.2ではコラムのカットを描いてもらい、雑誌のコラムの強度がぐっと上がってうれしかった)
今回唯一の男性だけど、誰よりも「野球かわいい」かもしれない。
そしてコンセプトにとても敏感ですごく大事にしているので、
展示を準備していくうえでわたしを引っ張ってくれることも多々ありました。
作品は「ちくちく手作り」系ではないけれど、ただイラストがかわいい、というだけじゃなく
どういう見せ方をしたらよりかわいいか、どういう展開がよりかわいいか、ということに自覚的だったのが
「ただかわいい絵を描くイラストレーターさん」というのとは全く違ってすごいなと思います。

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阿良田蓉さんは、アイデアマン。そして行動力の人。
DMやロゴのデザインも、ついつい頼ってお願いしてしまったけれど、おかげですごくかわいいものができた。
「ミニスコアブックノート」や「12球場のカレンダー」などは、
野球好きなら「たまらない!」と思ってしまう目の付け所で、
なおかつ単体のグッズとしても、細部にまでこだわっていて、きっと野球関係なくかわいいと思ってもらえるもの。
上記の二つは、今回の「野球かわいい展」がSNSで拡散されるときに
もっとも言及された二つかもしれません。

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清水はるかさんは、慣れないと言っていた「手芸」的なところに、
まじめに真摯に取り組んでくれた。
清水さんは『屋上野球』でもイラストを描いてもらっていて(佐々木あららさんの短歌の挿絵)
そのイラストがすでにかわいいので、イラストを使って何かつくるという方法もあったと思うけど
最初にわたしが「手芸もので…」といったのを最後まで徹底してくれたのは、らしいなあと思う。
素朴でかわいいけど、ボールカウントをかたどったものは、一種類ではなくいろんなカウントがあったり
これもやっぱり野球好きにはたまらない細部のこだわりで、
いつまでも「どのカウントにしようか」と悩んでいるお客さんが多かったな。

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堀岡暦さんは、センス抜群のひとで、
わたしは密かに絵描きとしても惚れ込んでいる。
今回、作品の種類は多くなかったけれど、コンセプトがしっかりしていクオリティも高く
堀岡さんの個性がすごくよく現れた作品だった。
「TAKE ONE BASE」をもじった「TAKU ONE BASE(たくわんベース)」シリーズは傑作!
ストーリーづくりもよくて、なんとなく文学っぽいのが堀岡さんの作品だなと思う。
じつは今回のメンバーで唯一の学生さんで、卒業制作とも時期がかぶりながら
準備が大変だったと思うけれど、いつも落ちついた対応をしてくれて
わたしなんかもうヒーヒー言っていて情けないのだった。

ドタバタと書いてしまったけれど、この4人のバランス感覚があって成り立った「野球かわいい展」だったと思います。
今後、もしかしたらメンバーが増えたりすることもあるかもしれないけれど、編集室屋上企画としての「野球かわいい展」の礎はこのメンバーによってしっかり築けたなあというところ。

今後……?
ほんとうに想像以上の反響とご来場、ご購入をいただいたので「次回……まあできたら……」みたいな感じだったのが「次回!やりましょうね!」という雰囲気にはなっています。でもね、みんな仕事や学業のかたわら手作りしているから、そうそうはできないのですけれど。
楽しみにしてくださる方、どうか気長にお待ちくださいませ。

ちなみに、メンバーはそれぞれ「東京野球ブックフェア」にも出店しますので、ご興味のある方はどうぞそちらも!

最後になりましたが、ご来場いただいたみなさま、来られなかったけれど気にかけてくださったみなさま、どうもありがとうございました。
ほんとうにほんとうに、みんなで驚き、喜んでいます。

2016-03-11 | カテゴリー 屋上日記

 

祖父江慎+コズフィッシュ展 で 自分の仕事を思い直す

ギリギリのすべりこみで! 日比谷図書文化館で開催中の「祖父江慎とコズフィッシュ展 ブックデザイ」に行ってきました!


三角ーーー!
いや、しかし、野音には何っっ回も行ったし、野音の裏口使ったことも何回もあるというのに、ここにこんな建物あるってまったく見えていませんでしたね。

子連れでしか動けない日々、展示の類は1歳児には退屈で、ギャースギャースとなってしまうのでこちらも出かけるのに勇気がいります。でも、もしかしたらうまいこと寝てくれたりするかも……行かなきゃ見られないわけだし、ダメ元で行ってみるか!ということで。向かう道中でウトウトする娘を必死で起こし、限界ギリギリまで眠くさせて挑みました! 大成功!(つくづく勝手な親です、たまにはね)


初日には間に合わなかったらしい冊子もギリギリに行ったことで無事もらえました。

展示は、説明を極力排除したつくりで、事前情報としては「これまでに装丁を手がけた2,000冊を展示!」というのが売りのように見えたけど、実際に見てみると、校正紙だったり仕様の指定書だったり、制作の裏側がメインなんじゃないかと思いました。
細かい内容については、ちょっと、まとめている時間がないので全体の感想を!

「どこまでやるか」っていう問題は、いつも自分のまわりにふわふわと浮いている気がします。
時間がないとか、予算がないとか、「そこまで、やる?」みたいな気持ちもあるかもしれない。
でも、祖父江さん(とコズフィッシュのみなさん)の仕事は、
そのリミッターみたいなものがない、というか、あるんだろうけど、一般のそれと違っていて、
細部へのこだわりのすごさが、確実に本のちからになっているんだと思います。
本のためにまだまだできることがある、
まだまだ、こだわれる。

展示を見ていた、おそらく出版関係者ではない方が「本をつくる仕事って、楽しそうだねえ」と言っているのが聞こえました。
そうなんだよー、楽しいんだよ!
そして今回の展示を見て、もっともっともっと楽しくなるんだよ!というのを、まざまざ見せつけられた感じです。

細かい感想もすこし。
わたしが最も見てよかった……と思ったのは『ユージニア』の本文レイアウトのフォーマット。かな文字ひとつも、既存書体の中で気になったら変更したり、大きさを変えたり、読点ひとつの調整もすごい。もちろん、読んだ人が「デザインで何をしているか」わかる必要はなくて、でもその意味すること、印象は、伝わるのだと思う。そして、手描きのコメント一つひとつから見える「楽しそう!」な感じ。楽しいなんて言ってられないくらい忙しいはずだけど、「楽しくてたまらない!」とでも言うようなコメントがたくさんあり、自分の本作りに向き合う姿勢そのものを鑑みてハッとしました。うっかり「大変!」「お仕事!」みたいに思ってしまうことがあるけど、それってもったいないこと。

またもとっちらかってしまいましたが、
自分が本を作る仕事をしているということがとてもうれしく思えるような展示でした。

前後編にわかれていて、前編は14日まで!!

2016-02-13 | カテゴリー つれづれ, 屋上日記

 

締めるべきことも、特になく

前回更新したときに、年内もう一度は更新を!と書いてしまったけれど、
振り返りとかがあまり得意ではないこともあって、書くことはなかった。

じゃなくて、今年は、振り返れるようなことがなかったんだなー……。
自分なりに駆け抜けてはきたけれど、形に残せなかったのかな。

現在、来年春(3月か、4月)刊行予定の本を一冊編集中。
なかなか難儀していて、当初1月とお伝えしていたものが延びていますが
これは、編集室屋上として重要な出版になると思っています。
そして6月刊行になるかもしれないものが急に進み始め、
長く少しずつ準備しているものがもうひとつ。
去年の年末に「来年は屋上野球を出したい」と言っていたけれどそれもかなわず
来年こそは、なんとかしたいけれど、どうなるかなあ……
いろいろ書いて、「出す出す詐欺」にならないようにしないと!ハイ!

まずはそんな諸々をいったんご報告できるような冊子だけは
早めにつくりたいところ。

そうそう、ひとつ、那須早苗さんによる「屋上あみもの教室」を一年続けられたことはうれしいことでした。来年は1月19日からスタート。何かをつくっている時間は満たされます。

  
娘のチョッキもようやくできたしね。

年末年始は都築響一さんの『圏外編集者』を読んで自分に叱咤激励します。

みなさま、よいお年をお迎えください!

2015-12-30 | カテゴリー つれづれ, 屋上日記

 

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