2017年 遅ればせながらご挨拶

新年のご挨拶をするような時期でもなくなってしまいました。
いつまで経ってもこんなふうに、遅くなりましたが……というご挨拶をしてばかりのわたしですが
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、1月16日搬入で新刊を出します。
タイトルは「沖縄、シマで音楽映画 『島々清しゃ』ができるまで」。
1月21日に公開になる、映画「島々清しゃ」。
映画の詳細は公式サイトでご確認いただきたいのですが、その映画の企画者であり、音楽監督であり、さらには脚本家でもある磯田健一郎さんによる、映画の「始めから終わりまで」を書いた、書き下ろし作品です。

詳細はこちらからご確認ください。明日には見本が!できあがります! ワーイ!

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さて、ここで振り返っておかないといつ振り返る、ということになりそうなので、ちょっとだけ2016年を。

編集室屋上として、再スタートを切った年でした。
4月には、ずっと念願だったながさわたかひろさんの『に・褒められたくて』を刊行。
過去の作品を集めた本ではありますが、文章はほとんど書き下ろし。
ながさわさんには過去のことを振り返るという大変な作業もしていただくことになり、精神的にかなり追い詰めたと思います……すみません。
でもながさわさんの作品の素晴らしさ、パワーと、それを最大限に引き出してくれたデザイナーの佐藤亜沙美さんのおかげで、渾身の一冊になりました。ほかの本もそうだけど、なんだか改めて「自分で本をつくって必死で売っていくのだ」ということ、再確認したような気がします。

さらに7月には、壺井栄没後50周年記念出版として『二人の手紙 壺井繁治・壺井栄 獄中往復書簡集 昭和五年-昭和九年』を刊行しました。平野公子さんが小豆島に行かれたことでつながったご縁で、意外と思われるかなとも思ったのですが、でも作っていてとても楽しい本でした。当時の二人は30代、今のわたしと同世代といっていい夫婦の手紙は時に厳しい言葉もありながら、あくまでも日常で(といっても夫は獄中なわけだけど)、かわいらしく、この二人のことをこんな風に感じることがあるとは思いもしませんでした。
公子さんから壺井繁治の話を聞いたときに、小熊秀雄の話が出てきて、大学生のときに「池袋モンパルナス」の展示を見に行って小熊秀雄の言葉にたいへん撃ち抜かれたこと、などを思い出しました。思い出しただけですが、そういう小さな衝撃や感動、その積み重ねがいまわたしにこの仕事をさせてくれているような気がします。

そして、「沖縄、シマで音楽映画」。
これから刊行なので、昨年つくったというわけではないのですが、12月には校了していたので、感覚的には昨年つくった一冊に。
この本のことは、また改めてゆっくりと。

というわけで、編集室屋上史上はじめて、年間三冊の本を制作しました。

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正直なことをいえば、今まで生きてきて一番シンドイ一年でした。
子どもの保育園は決まらず、日中は子どもと過ごし、夜や土日、たまに入れる一時保育を使って仕事をする日々。これは本当にダメでダメで、仕事を一緒にしてくれる人に迷惑をかける、こどもにつらくあたりがちになる、不満のないはずの夫にもあたる、体はボロボロ、という、ほんとうに、ひどい日々で。本をつくれたことはどれも誇りだけれど、同時にたくさんの人に迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳なく思います。

保育園が決まらない、というけれど、たとえば0歳児から入れるとか、入りやすい自治体に入りやすいタイミングで引っ越すとか、もっと努力できないのか、といわれれば、それまでで、ほかに優先したことがあるというのだからわたしが悪いのかもしれません。でも、「だから保育園に入れない」っていう世の中はやっぱりおかしいし、このおかしいと思う気持ちは喉元過ぎて忘れるのではなく、何か、小さいことでも考え続けることは必要だなと思っています。わがままなのかもしれないけど、子どもと生活するということ、そのなかで仕事をするということについても、もっと選択肢があっていい、あるべきなのだと思います。愚痴ではなく、これからも考え続けるという意思表示として。

こういう日々を通じて、自分に体力がないことも痛感したし、無理はここまで。12月には、胃腸炎もやり、1ヶ月以上風邪が治らなかったり、一年分のあれこれがずーんと体に襲ってきました。もうそのやり方、やめんさい、というお知らせかと思います。もちろん、本はつくりたいし、やりたいことはたくさん、新刊も出してこれから頑張りどきなので、いろいろ方法を考えながら現実を見つつ、がんばっていきたいと思います。

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最後に一つ、昨年いつだったか「月に吠える通信」さんのインタビューを受けました。
自分で話すことって全然面白いと思えないし、「うわーこんなこと言ってるダセー」「言葉がへたで伝わってねー」とかばっかり思って校正もらうと赤字ガンガン入れてしまうし、(そして何より自分の写真が出てると落ち込む 笑)あまりお知らせしていなかったのですが、ふと読み返してみたら、意外と、いままで人に言わなかったようなことを言っていると思いました。出版業界のこととか、本の役割のこととか、ひどい答えをしているんですけれど、でもこれがこのときのわたしの本音です。きっとそのうち変わるだろうけど。
【ひとり出版社Vol.4】よりふさわしいカタチで、表現が届けられる時代になる 『編集室屋上』林さやかさん
(タイトルかっこいいな)

ではみなさま、こんなわたしと編集室屋上ですが、2017年もどうぞよろしくお願いいたします。エイエイオー

林さやか


2017-01-11 | カテゴリー つれづれ, 屋上日記 |