壺井栄50回忌によせて 

日付変わって今日、6月23日は、壺井栄の50回忌です。

『二十四の瞳』などで知られる壺井栄は小豆島の出身。島では今年一年、記念行事がいろいろと企画されていて、このたび刊行する『二人の手紙 壺井繁治・壺井栄 獄中往復書簡集 昭和五年-九年』もこのタイミングで島のみなさまにも見ていただくことができました。

小豆島町長がブログの1704回で書いておられるとおり、この本はもともと平野公子さんがわたしに話をくださったものです。
公子さんは編集室屋上の立ち上げを一緒にしてくれた人。(というか屋上のメンバーですから、屋上はひとり出版社ではないですね)
はじめは、やはり『二十四の瞳』の印象が強い壺井栄のことを詳しく知らなかったし、夫である壺井繁治のことは、名前と、活動家であったことくらいしか知らない、不勉強な私でした。
でも公子さんからの話を受けて、この書簡集を本にして出版することに強い意味を感じたのと、なんだか言いようのないワクワク感があったので、詳しくないままに、出版したい、とお伝えしたのでした。
(いま思うと、公子さんからの電話で小熊秀雄の名前が出たことが、決意したきっかけの一つだったような。ちょっとしたことですが)

そして島から送られてきた大量の書簡のコピーには、めんくらいました。
これを、全部、タイピングするのは……むり!!
特に初期の手紙は繁治が獄中でペンの使用を許可されておらず、筆で書かれたもの。はじめに見たのがその手紙だったので、「読めない、読めない、読めない!」と泣きそうになったくらい。
ペンになると、だいぶ読みやすかったんですが(笑)それでも慣れるまでは難儀しました。
そして、やはり自分一人では無理と、数名の方に協力していただいてまずは原稿を起こすことからはじまった本作り。協力者の方も、ほんとうに大変だったと思います。

装丁は長田年伸さん、装画は平岡瞳さんにお願いしました。
長田さんの遊び心もありながら地に足の着いたデザインは400ページ超えの本をしっかりときれいに、また軽やかにまとめてくださいました。
平岡さんにはぜひ木版画で!とお願いして、それがピッタリ。優しくもあり力強くもある平岡さんの木版画が、小豆島の風景を思い起こさせるところもあり、二人の手紙の雰囲気を見せてもくれて。
お二人は30代で、わたしも30代、なんとなく、若い世代で作りたいという気持ちありました。

解説は佐久間文子さんに。じつは記者でいらっしゃる頃からずーっと読者だった佐久間さんに自分が出す本で原稿をお願いできたことは光栄でした、というのは、ほんとに私事ですが、いただいた解説を読んで、私自身この本の姿がすーっと入ってきたような気がします。もしかしたら、最初に読んでいただくとより「二人の手紙」を楽しんでいただけるかもしれません。最後に楽しみにとっておいてもよいのですが。

さて、こんな風にしてようやく出来上がった本です。
書店さんには早い所では6月25日頃から並びますが、取次の関係でだいぶ時間がかかるところもあるのと、まだまだ販売店が少ない状況です。

引き続き、お取扱いいただける書店さん等も募集しています。

そうそう、公子さんたちがスタートした小豆島初のオンラインマガジンも間もなくスタートの様子。
現在クラウドファンディングを行っています。
小豆島発のオンラインマガジン「その船にのって」にご支援をお願いします!
こちらで壺井栄の短編も読めるようになるとのこと、これも楽しみ。

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今年に入ってからずっと突っ走り続けてきた日々、ようやく一段落です。
保育園は、まだ決まりませーん!


2016-06-23 | カテゴリー 屋上日記 |